無痛分娩

無痛分娩とは・・・

無痛分娩はくも膜下麻酔及び硬膜外麻酔を用い、陣痛の痛みを和らげながら出産することです。陣痛の痛みは、癌の痛みや幻肢痛など、とても強い痛みとして知られているものより、更に強い痛みと言われています。妊娠中からそうした陣痛の痛みへの不安も取り除くこともでき、出産を迎えるための心身の準備を行うことができます。

無痛分娩は全く陣痛の痛みがない状態ではありません。その為、「和痛分娩」と称している施設もあります。私たちは7割くらいの痛みを硬膜外鎮痛法で取り除き、3割くらいの痛みを残し、出産するのが望ましいと考えております。そうすることで、皆様の産む力を最大限に引き出し、落ち着いていきむ(産む)感覚を感じながら、誕生の瞬間を迎えることができます。

麻酔の副作用や合併症が心配な方もいらっしゃると思います。
当院では麻酔科医と連携して副作用や合併症を最小限にし、安全な無痛分娩を提供できるようにしています。

無痛分娩のメリット

  • 痛みが軽くなる
  • 精神的ストレスの軽減
  • 子宮胎盤の血流改善 → 赤ちゃんの酸素供給の改善
  • 産後の体力回復が早い

無痛分娩のデメリット

  • 足の力が入りにくくなる
  • 低血圧
  • 尿が出しにくい
  • かゆみ
  • 体温上昇
  • 硬膜穿刺後頭痛(まれ)
  • 局所麻酔中毒(まれ)
  • 全脊髄くも膜下麻酔(まれ)

無痛分娩の流れ

当面の間は経産婦限定で医師が決定した日程での計画分娩になります。
事前に無痛分娩を希望する旨を妊婦健診時に医師にお申し出ください。
無痛分娩教室(集団)の受講は必ずしてください。受講しないと無痛分娩できません。
無痛外来(個別相談)は希望すればどなたでも受診できます(費用5,000円)

無痛分娩教室費用
当院で分娩予約されている方は無料
当院で分娩予約されていない方は3,000円(受講後に分娩予約をされて参加費の領収証をご持参いただいた場合、ご返金いたします)

妊娠36週前後の妊婦健診で医師が無痛分娩可能かどうか最終決定をします。
その後、入院日が決まります。
希望の日程での入院・計画分娩はおこなっておりません。

詳しくは妊婦健診時に医師にお尋ねください。

費用について

出産費用に自費で14万円追加になります。(経産婦)

麻酔科医 魚川 玲子

  • 1998年関西医科大学卒業 研修医
  • 2004年兵庫県こども病院麻酔科医長
  • 2006年埼玉医科大学総合医療センター周産期麻酔科 医長
  • 2007年神戸大学麻酔科 助教
  • 2012年パルモア病院 産科麻酔科 部長
  • 2019年6月千船病院 麻酔科
  • 2019年10月千船病院無痛分娩センター センター長
  • 2024年9月大阪けいさつ病院 麻酔科医長

無痛分娩教室のご案内

無痛分娩を希望される方は必ずこの教室をご受講ください。事前に無痛分娩の予約をされていても未受講であればお断りさせていただきますのでご了承ください。
無痛分娩にしたい!無痛分娩のこと知ってからどうするか決めたい!など悩んでおられる方の参加も歓迎しております。
夫・パートナー、親御様の同時参加もお勧めいたします。
お子様の参加はご遠慮ください。

日時
月1回 木曜日(不定)
場所
3F マザーホール
予約方法
受付でお申し出ください
費用
当院で分娩予約されている方は無料
当院で分娩予約されていない方は3,000円(受講後に分娩予約をされて参加費の領収証をご持参いただいた場合、ご返金いたします)

無痛分娩外来

無痛分娩について不安がある、ゆっくり話を聞きたい等のご相談は担当麻酔科医の外来にお越しください。また、妊婦健診中に医師からの勧めがあった方も無痛分娩外来を受診していただきます。

費用
5,000円

無痛分娩を受けられない方

  1. 非妊時BMI28以上
    非妊時BMI25~28では無痛分娩入院日決定の時点で15キロ以上体重増加している
    非妊時BMI25以下では無痛分娩入院日決定の時点で20キロ以上体重増加している
    無痛分娩入院日決定の時点でBMI30以上

    BMIとは・・・

    体格を表す指標として国際的に用いられている指数で
    体重(㎏)÷ 身長(m)÷ 身長(m)で求められます。
    身長は㎝ではなくmで計算します。

    例)
    身長160㎝ 体重63㎏の場合
    63÷1.6÷1.6=24.609  
    この方のBMIは25になります(小数点以下4捨5入)
  2. 背骨に変形や神経の病気がある
  3. 注射する部位に膿がたまってたり、皮膚の強いトラブルがある
  4. 局所麻酔薬アレルギー
  5. 感染兆候がある
  6. 妊娠後期の分娩直前採血で血小板10万以下または凝固系採血でPT(INR)1.2を超えている
  7. 医師が上記以外でも無痛分娩困難と判断した場合
  8. 通訳を介さないと意思疎通が難しいと医師が判断した場合